介護と育児の合間を縫う:掃除・洗濯の時間を生み出す時短術
ダブルケアの負担を軽減する家事効率化の視点
親の介護と大学生のお子様の育児、さらにご自身の仕事と、日々時間に追われている方も多いことと思います。特に家事は、毎日の積み重ねであり、その負担は決して小さくありません。食事準備や通院の他にも、掃除や洗濯といった日常的な家事も、時間がない中で効率的にこなすことが求められます。
この記事では、ダブルケアを両立しながら、掃除と洗濯にかかる時間を減らし、効率的にこなすための具体的な時短テクニックをご紹介します。これらのアイデアを取り入れることで、少しでもご自身の時間や休息を確保する一助となれば幸いです。
掃除の時間を短縮する具体的な方法
掃除は家全体となると大変な労力と時間を要しますが、工夫次第で大幅に時短が可能です。
1. 「ながら掃除」「ついで掃除」を習慣化する
特定の時間にまとめて掃除をするのではなく、日常生活の動線の中で「ながら」「ついで」に行うのが効果的です。
- 歯磨きしながら洗面台を拭く: 洗面所を使ったついでに、飛び散った水滴や軽い汚れをサッと拭き取ります。
- 料理の合間にコンロ周りを拭く: 調理中に汚れた箇所をすぐに拭けば、後でまとめて行うより簡単に済みます。
- 移動中にフローリングワイパーをかける: 部屋を移動する際に、目についたホコリをワイパーで集めます。
このように、短い時間でこまめに掃除することで、汚れが蓄積するのを防ぎ、大掃除の負担を減らすことができます。
2. 場所別の効率化テクニック
家の中の場所ごとに、短時間で効果を出す方法を取り入れます。
- リビング: 毎日軽く床を掃除機かワイパーでかけ、目につくものを片付けるルーティンを作ります。
- 水回り(キッチン、浴室、洗面所): 汚れやすい箇所は、使用後に簡単にすすいだり拭いたりすることを徹底します。特に浴室は、使用後に壁や床に水をかけるだけでカビ予防になります。
- 玄関: 毎日靴を揃え、軽い掃き掃除をするだけで、家の顔である玄関をきれいに保てます。
3. 便利グッズを積極的に活用する
掃除を楽にするアイテムは数多くあります。
- ロボット掃除機: 定期的に自動で床掃除を任せられます。外出中や他の作業をしている間に掃除が終わります。
- ハンディクリーナー: 食卓のパンくずや玄関の砂埃など、狭い範囲の軽い汚れにサッと対応できます。
- ウェットシートやマイクロファイバークロス: 洗剤を使わず、手軽に拭き掃除ができます。使い捨てや洗って繰り返し使えるものなど、用途に合わせて選べます。
4. プロのサービスも検討する
どうしても手が回らない場所や時期は、ハウスクリーニングなどのプロのサービスを単発で利用するのも一つの方法です。エアコン内部や換気扇など、自身での掃除が難しい場所を依頼することで、家全体の清潔を保ちやすくなります。
洗濯の時間を短縮する具体的な方法
洗濯も毎日のことですが、工程を見直すことで効率化が可能です。
1. 洗濯機・乾燥機の機能を最大限に活用する
最新の洗濯乾燥機であれば、乾燥まで一貫して行えます。
- 予約機能: 夜にセットしておけば、朝起きた時には洗濯が終わっているため、すぐに干したり乾燥機にかけることができます。
- 乾燥機能: 天候に左右されず、干す手間と時間、取り込む手間を省けます。衣類の素材によっては乾燥機NGの場合があるため、表示を確認して使い分けます。
2. 洗剤・柔軟剤の工夫
洗剤も時短につながる製品を選びます。
- 高濃度洗剤: 少量で済み、詰め替えの頻度を減らせます。
- オールインワン洗剤: 洗剤と柔軟剤、漂白剤などが一つになったタイプを使えば、投入の手間を省けます。
3. 干し方・畳み方の効率化
干し方や畳み方にも時短のヒントがあります。
- ハンガー干し: 洗濯機から取り出してそのままハンガーにかけて干し、乾いたらそのままクローゼットへ。畳む手間が省けます。
- 畳まず収納: 下着や靴下、タオルなどは、畳まずに引き出しやカゴに放り込む形式に変えるのも効率的です。
- 動線を意識した物干し: ベランダだけでなく、浴室乾燥や部屋干しスペースを有効活用し、移動の手間を減らします。
4. 便利グッズの活用
洗濯に役立つグッズも取り入れます。
- 洗濯ネット: 細かいものやデリケートな衣類をまとめて洗え、絡まりや傷みを防ぎます。
- 多連ハンガー: 多数の衣類をまとめて干せます。
- 乾燥機ボール: 乾燥時間を短縮し、仕上がりをふっくらさせる効果があります。
ダブルケアならではの家事効率化の視点
掃除や洗濯といった家事の効率化は、個人の工夫だけでなく、ダブルケアという状況ならではの視点も重要になります。
1. 家族で家事を分担する仕組みづくり
大学生のお子様や、介護が必要なご家族、そして配偶者など、可能な範囲で家事を分担します。例えば、お子様に自分の部屋の掃除や洗濯物の取り込み・片付けを任せる、ご家族が可能な範囲で簡単な拭き掃除やゴミ捨てを行うなど、役割分担を明確にすることで、一人にかかる負担を減らせます。遠慮せず、具体的に手伝ってほしいことを伝えることが大切です。
2. 「完璧」を目指さない割り切り
時間がない中で家事を完璧にこなすのは困難です。多少の妥協も時には必要です。「毎日全部をきれいにする」のではなく、「今日はここだけやる」「ここまではできればOK」のように、優先順位をつけたり、目標レベルを下げたりすることも、精神的な負担を軽減し、継続するための重要なポイントです。
3. 外部サービスの検討
家事代行サービスなどを検討するのも一つの方法です。定期的な利用が難しくても、忙しい時期だけスポットで依頼するなど、柔軟な使い方ができます。時間をお金で買う、という考え方も、ダブルケア期には有効な選択肢となります。
まとめ
ダブルケアを両立する中で、掃除や洗濯といった日常的な家事は大きな負担となり得ます。しかし、「ながら掃除」や「ついで掃除」の習慣化、場所別の効率化、便利グッズの活用、そして洗濯機の機能や干し方・畳み方の工夫など、様々な時短・効率化の方法があります。
これらのテクニックを取り入れるとともに、ご家族での役割分担や外部サービスの活用、そして何よりも「完璧を目指さない」という割り切りも大切です。ご紹介したアイデアが、皆様のダブルケアにおける家事負担を少しでも軽減し、ご自身の時間や休息を確保するための一助となれば幸いです。